国土交通省のホームページで公表された情報によると、令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸(前年比▲6.5%)。
3年連続で減少しているという結果が分かりました。
参考:建築着工統計調査報告(令和7年計分)
これは一時的な落ち込みというより、長い流れの中で起きている変化です。
日本の人口は2008年をピークに減少が続いており、住宅着工も今後は長期的に縮小していく可能性が高いと言われています。
5年後、10年後——市場環境は、今よりも“選ばれる難しさ”が増しているかもしれません。
新規開拓の反応が鈍くなったり、見積の競争が激しくなったり、材料費や人手不足の影響が続いたり。
「ちゃんとやっているのに、思ったほど利益が残らない」——そんな場面も、これから増えやすくなります。
だからこそ今、「どの工事で利益が出ているのか」「どこにムダがあるのか」を数字で把握し、先回りして整えておくことが、安心につながります。
ここからは、データがないまま進めたときに起きやすい限界と、データを蓄積することで何が変わるのかを整理していきます。
ここがポイント!

これまでの工事業は、経営者の勘と経験で成り立っていました。
- 「このくらいの工事なら、利益が出る」
- 「この取引先とは、長く付き合ってきたから大丈夫」
- 「担当者Aは優秀だから、任せておけば問題ない」
市場が拡大していた時代は、それで成り立っていました。
工事件数が多く、多少の利益のブレがあっても、全体で均せば利益は残る構造だったからです。

昔は多少の赤字が混ざっても、件数で埋められたってことですね。

そうじゃ。案件数が多いほど、赤字を吸収する余地も大きい。
いわば“量でカバーできる経営”じゃった、というわけじゃ。
しかし、市場が縮む今、その余裕はありません。
工事件数が減れば、そもそも「次で取り返す」ための次が来にくくなります。
さらに、材料費の変動や人手不足による段取りの乱れなど、利益のブレ要因はむしろ増えています。
件数が減る中では、一件一件の採算がそのまま経営の安定に影響します。
赤字が一度混ざっただけで、月の利益が一気に薄くなる。
ブレを吸収するクッションが、以前よりもずっと薄くなっているのです。

若葉ちゃん、経営とは何じゃと思う?

えっと…会社を回すこと、ですか?

それもあるが、もっと本質的なことじゃ。
経営とは、”正しい判断を、正しいタイミングで下すこと”なんじゃよ。

正しい判断…?

そうじゃ。じゃが、勘だけで”正しい判断”ができるか?
データがなければ、それが本当に正しいかどうか、分からんじゃろう。
・どの工事種別で利益が出ているか、出ていないか
・どの取引先との案件が、本当に利益率が高いか
・どの担当者の見積精度が高く、誰の見積が赤字になりやすいか
・月別・四半期別の売上推移と、そこから見える傾向
これらが見えないまま経営判断をすることは、目隠しをして車を運転するようなものです。
「今、どこで利益が削れているのか」が分からないまま走れば、ブレーキを踏むタイミングを逃します。
気づいたときには、赤字工事が重なって資金繰りが苦しくなる——そんな事態にもつながりかねません。
多くの工事会社では、見積はExcel、原価は別表、請求は会計ソフト…と数字が分散しがちです。
しかも担当者や現場ごとに管理方法が違うと、同じ工事の数字でも「どれが正しいのか分からない」「更新されていない」など、小さなズレが起きやすくなります。
・見積データ:ファイルや担当者ごとに保存先が違い、最新版が分からない
・受注データ:工事台帳やメールに散らばり、受注金額・実行予算が追えない
・原価データ:材料費・外注費・労務費が別管理で、工事別に合算し直す必要がある
・売上データ:請求・入金の状況が別の場所にあり、回収まで含めた実績がつながらない
この状態だと「集めるだけで時間がかかる」「形式がバラバラで比較しづらい」状態になりやすく、分析以前に手が止まりがちです。

結局、資料探しで時間が溶けて、振り返りまで辿り着かないんです…。

じゃから順番が大事なんじゃよ。
“分析を頑張る”のではなく、“数字が自然に揃う仕組み”を先に整える。
そうすれば、見たいときにすぐ見返せるようになる。
数字が分かれていると、振り返るたびに「集める」「揃える」作業が発生します。
この手間を減らすには、最初から“ひと続き”で数字が残る仕組みが必要です。
見積を作る。受注する。原価を入力する。請求書を出す。
これらは今までもやっていたことですよね。
ただ、Excelでバラバラに管理していただけ。
ハウロードシリーズを使うと、この「いつもの業務」が、すべて同じシステムの中に記録されます。
- 売上データ(請求金額・入金状況)
- 見積データ(工事種別・取引先・見積金額・粗利率)
- 受注データ(受注金額・実行予算)
- 原価データ(材料費・労務費・外注費・経費の実績)
見積を作ったら、そのデータがそのまま受注・実行予算・原価管理に流れる。
同じ情報を何度も入力する手間がなくなります。

転記って、面倒なだけじゃなくて…打ち間違いも怖いんですよね。

そうじゃ。二重入力は“手間”だけでなく“ミスの入口”にもなる。
流れが一本化すれば、入力の回数が減って、確認作業まで軽くなるんじゃよ。
やることが減るほど、ミスも減り、確認も早くなる。
“手間が減る”の効果は、想像以上に大きくなります。
1年分のデータが貯まると、「去年の今頃」が見えるようになります。
季節ごとの工事の偏りや、よく出る工事パターンが整理されていくからです。

「去年のこの工事、見積いくらだったっけ?」
「去年の同じ時期、どのくらい受注してた?」

去年の見積がすぐ出てくるなら、単価の見直しとかもやりやすそう…。

そうじゃ。去年の実績が見えれば、
“どこで原価が膨らみやすいか”“外注が増えやすい時期はいつか”も掴める。
だから見積の精度も上がるし、受注のペース配分も整えやすくなるんじゃよ。
過去の記録を参考にできるから、見積精度が上がり、
受注のペース配分も見えてきます。
3年分のデータが貯まると、「会社の得意・不得意」が数字で見えます。
- 工事種別ごとの粗利率
- 取引先ごとの利益率
- 担当者ごとの見積精度

「なんとなく」ではなく、データで経営判断ができるようになります。

最初は手間が減る。
そして1年、3年と使い続けると、データが武器になるんじゃ。

使えば使うほど、価値が上がっていくんですね。

そうじゃ。じゃから、早く始めた方が、早く武器が手に入るんじゃよ。

データは、時間が経つほど価値が上がるんじゃ。
1年分のデータより、3年分のデータの方が、
見えてくる傾向が多い。じゃから、早く始めた方がいいんじゃよ。
同じ“工事種別”でも、取引先や条件が違えば利益の残り方は変わります。
だからこそ、全体平均ではなく、工事別・取引先別に分けて見ることに意味があります。
「どの工事が儲かるか」ではなく、「どの条件なら儲かるのか」まで見えてくる。
ここまで見えると、次の見積や受注判断が一気に強くなります。
蓄積されたデータから、以下のような分析ができます。
| 工事別原価分析 | ・新築工事の粗利率:平均15% ・改修工事の粗利率:平均8% → 改修工事は利益率が低い。見積方法を見直すべきか? |
| 取引先別分析 | ・A工務店との案件:年間10件、粗利率12% ・B工務店との案件:年間3件、粗利率5% → B工務店との取引は、本当に続けるべきか? |
| 担当者別分析 | ・担当者Cの見積:完工後の粗利率平均15% ・担当者Dの見積:完工後の粗利率平均8% → 担当者Dの見積精度を改善する必要がある |

データがあると、”なんとなく”じゃなくて、”数字で”判断できるんですね。

そうじゃ。そして、数字で判断した方が、間違いが少ないんじゃよ。
ハウロードシリーズの受注・原価管理には、50種類以上の管理帳票が標準装備されています。
・今月の売上は、昨年同月比でどうか?
・売上が落ちている月は、どの時期か?
→ 受注のタイミングを調整する判断材料になる
・小規模工事(100万円未満)の粗利率:平均10%
・中規模工事(100〜500万円)の粗利率:平均12%
・大規模工事(500万円以上)の粗利率:平均8%
→ 大規模工事は利益率が低い。見積方法を見直すべき
・担当者Eの労務時間:月平均180時間
・担当者Fの労務時間:月平均220時間
→ 担当者Fの業務負担が高い。業務分担を見直すべきか?
こうした傾向が視覚的に分かれば、「来年はどこに注力すべきか」という戦略が立てられます。

データを”見える化”することが大事なんじゃ。
数字の羅列じゃなく、グラフや一覧で見れば、誰でも傾向がつかめるんじゃよ。
時に若葉ちゃん、5年後を想像してみるんじゃ。

5年後…ですか?

そうじゃ。市場はもっと縮んでおる。新規開拓はさらに難しくなっておる。
人手不足も、もっと深刻になっておる。そのとき、2つの会社がある。
・どの工事が利益を出しているか、分からない
・どの取引先が本当に優良顧客か、分からない
・過去の失敗から学べていない
・勘と経験だけで、経営判断をしている
市場が縮む中、新規開拓に苦戦し、既存の取引も「なんとなく」続けている。
利益率が低い工事を受注し続け、徐々に体力を削られていく。
・過去5年分のデータから、利益が出る工事パターンが見えている
・優良顧客が明確で、リピート営業に注力できている
・赤字工事の傾向を分析し、同じ失敗を繰り返していない
・データを元に、確信を持って経営判断ができている
市場が縮んでも、限られたパイの中で確実に利益を出す。
データに基づいた戦略で、効率的に経営している。

どちらが生き残るか…は明白ですね。

そうじゃ。じゃが、5年分のデータは、5年かけないと貯まらん。
じゃから、今日から始めることが大事なんじゃよ。
次の3つ、自社に当てはまるものはありませんか?
どの工事種別で利益が出ているか、どの取引先が優良顧客か。
データがなければ、経営判断は勘に頼るしかありません。
売上が上がっている時期、下がっている時期。
その傾向が分からなければ、先手を打った戦略が立てられません。
誰が正確な見積を作り、誰が業務負担を抱えているか。
データがなければ、適切な人材配置ができません。
1つでも当てはまったなら、データ経営への転換を考えるタイミングかもしれません。
工事種別・規模別に原価と粗利率を集計。
「新築は利益率が高い」「改修は赤字が多い」といった傾向が数字で見えます。
月別・分野別の売上推移をグラフ表示。
「夏場は空調工事が増える」「年度末は受注が集中する」といった傾向を可視化。
担当者別の見積精度(予算と実績の差)や労務時間を集計。
誰が正確な見積を作り、誰が業務過多なのかが一目で分かります。
受注台帳・原価報告書・工事別一覧表・期間別原価管理表など、経営判断に必要な帳票が標準装備されています。
今のシステム導入は、5年後への投資です。
データは、蓄積すればするほど価値が上がります。
1年分より3年分、3年分より5年分の方が、見えてくる傾向が多いからこそ、早く始めることが重要です。
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