「また落札できなかった…」
入札結果の通知を見るたびに、「どこでズレたんだろう」と考えてしまう。
高すぎたのか、安すぎたのか。予定価格には近かったのか、それとも前提そのものが違っていたのか。
公共工事の入札で求められるのは、ただ安い金額ではなく発注者が想定している積算基準に合った、適正で競争力のある金額です。
では、「適正な価格」とは何か。
それは、発注者が想定している積算基準に沿った価格です。
公共工事では、国や自治体などの発注者が、「この工事には、これくらいの費用がかかるはずだ」という前提で予定価格を組んでいます。
そして、その前提を支える重要な要素のひとつが、国土交通省が公表している「公共工事設計労務単価」です。
ここで重要になるのが、労務単価の地域差です。
国土交通省が公表している公共工事設計労務単価は、全国共通の金額ではありません。
都道府県ごとに、異なる単価が設定されています。
– 東京都:27,000円/日
– 神奈川県:25,800円/日
– 埼玉県:24,500円/日
– 鳥取県:18,200円/日
たとえば、埼玉の会社が東京の公共工事に入札するとき。
どちらの労務単価で積算しているでしょうか。
- 自社がある埼玉県の単価(24,500円)
- 工事を行う東京都の単価(27,000円)
ここがポイント!

例えば埼玉の工事会社が、東京都内の公共工事に入札するとします。
このとき、積算担当者が埼玉の労務単価 24,500円 を使って積算したとしましょう。
しかし、発注者である東京都は、東京都の労務単価 27,000円 を前提に予定価格を組んでいます。
つまり、積算の前提そのものがズレている状態です。
このまま入札すると、自社の積算金額は、発注者が想定している予定価格よりも大きく低くなりやすくなります。
一見すると、「安いなら、その分だけ落札しやすいのでは?」と思うかもしれません。
ですが公共工事の入札は、単純に“安ければ勝てる”仕組みではありません。
求められるのは、予定価格に対して適正な範囲に収まった金額です。
あまりにも安すぎる金額を出すと、
「この価格で、本当に適正な施工ができるのか」
と見なされ、低入札価格調査の対象になることがあります。

安く出したのに、逆に問題になることがあるんですね……。

そうじゃ。公共工事では、“安いこと”そのものが評価されるわけではない。
発注者が想定している基準に対して、適正な範囲の価格を出せるかどうかが大事なんじゃよ。
では、仮に埼玉の労務単価で積算し、そのまま落札できたとしましょう。
実際に工事を行うのは東京都内です。
当然、現場で必要になる職人の人件費も、東京都の実勢価格を前提に考えなければなりません。
つまり、見積の段階では 24,500円/日 で計算していても、実際には 27,000円/日 の人件費がかかることになります。
- 見積時の労務費:24,500円/日
- 実際の労務費:27,000円/日
- 差額:2,500円/日 × 人数 × 日数
この差は、1人1日では小さく見えても、人数と工期が積み重なれば、すぐに大きな金額になります。
入札で勝てても、利益が残らないということです。

落札できても、実際の人件費と合っていなかったら、結局赤字になるんですね……。

その通りじゃ。じゃから、ベテランの積算担当者は“落札できるかどうか”だけでは考えん。
受注したあとに、ちゃんと利益が残るかどうかまで見ておるんじゃよ。
| 発注者と同じ基準で積算できる | 発注者と同じ基準で積算できる 予定価格とのズレを小さくでき、適正な範囲で入札しやすくなる |
| 実際の原価と合う | 落札できても赤字になるリスクを減らせる |
| 入札後の説明がしやすい | 積算の妥当性を説明しやすく、調査対応でも有利になる |

つまり、“工事地の労務単価”で積算することが、
入札で勝つための基本なんですね。

そうじゃ。これを知らずに、”うちの県の単価”で積算しておると、
予定価格とズレるし、受注しても赤字になる。
ベテランは、この基本を徹底しておるんじゃよ。
ここまで見てきたように、公共工事の積算では「工事地の労務単価で積算する」ことが基本です。
では、実務ではどうやって管理するのでしょうか。
自県だけで入札している会社であれば、管理すべき労務単価は基本的に1種類です。
しかし、複数の都道府県で入札している会社はそうはいきません。
- 埼玉の工事は、埼玉の単価
- 東京の工事は、東京の単価
- 神奈川の工事は、神奈川の単価
このように、工事地ごとに使う単価を切り替える必要があります。

工事ごとに、使う単価をちゃんと切り替えないといけないんですね。

そうじゃ。ここを曖昧にすると、予定価格ともズレるし、受注できても赤字になる。
じゃから、単価管理そのものを仕組みにしておくことが大事なんじゃよ。
この管理をExcelで行おうとすると、どうしても手間が増えます。
よくあるのは、「埼玉用」「東京用」「神奈川用」と、都道府県ごとにファイルを分けて管理する方法です。
たしかに一見すると分かりやすいのですが、実際には問題も少なくありません。
- 東京の工事なのに、埼玉用のファイルを開いてしまう
- 単価改定のたびに、すべてのファイルを更新しなければならない
- どのファイルが最新なのか分からなくなる
- 担当者が変わると、運用ルールが引き継がれにくい
つまり、都道府県ごとに管理しようとするほど、Excelではミスや属人化が起きやすくなるのです。

確かに……管理しようとするほど、逆に複雑になりそうです。

そうじゃ。単価を正しく使い分けたいのに、その管理方法が不安定では意味がないからのう。
こうした実務上の負担を減らすために、ハウロードシリーズでは複数の材料マスタを登録できます。
- 埼玉用の材料マスタ
- 東京用の材料マスタ
- 神奈川用の材料マスタ
といった形で、地域ごとに単価の異なるマスタを持つことができます。
積算時は、工事地に応じて該当する材料マスタを選ぶだけです。
担当者が毎回手作業で単価を入れ替える必要はありません。

材料マスタを切り替えるだけなら、実務でも回しやすそうですね。

そうじゃ。
“どの単価を使うか”を人の記憶に頼らず、仕組みで切り替えられる。
これが、入札実務では大きいんじゃよ。
都道府県別に労務単価が違う。
この知識だけでは、入札実務では足りません。
大切なのは、工事地ごとに適切な単価を使い分け、毎年の改定にも迷わず対応できることです。
次の3つ、自社に当てはまるものはありませんか?
「うちは埼玉の会社だから、埼玉の単価で積算している」
この方法で、東京都内や神奈川県内の公共工事にも入札していませんか?
工事地の労務単価を使わないと、発注者の予算とズレるため、落札しにくくなります。
仮に落札できても、実際の労務費と合わず、赤字になるリスクがあります。
入札公告が出たら、設計書を見る。
でも、「どの都道府県の労務単価が使われているか」まで、チェックしていますか?
この確認を怠ると、積算金額が大きくズレてしまいます。
国交省が3月に労務単価を改定しても、
「忙しくて、まだ反映できていない」
「どのファイルを更新すればいいか分からない」
こうした状態が続いていませんか?
最新の労務単価で積算しないと、発注者の予算(最新の単価で組まれている)とズレてしまいます。
1つでも当てはまったなら、入札で勝つための積算体制を見直すタイミングです。
入札で安定して勝つためには、単に労務単価を知っているだけでは足りません。
- 工事地に合った単価を選べること
- 複合単価を正確に計算できること
- 毎年の単価改定にすぐ対応できること
こうした実務を、ミスなく・継続して回せる仕組みが必要です。
ハウロードシリーズは、そのための機能を備えています。
埼玉用、東京用、神奈川用など、地域ごとに複数の材料マスタを登録できます。
積算時は、工事地に合った材料マスタを選ぶだけ。

これにより、都道府県別の労務単価を前提にした積算ができ、間違った単価で積算してしまうミスを防ぎやすくなります。
材料マスタに施工方法別の歩掛を登録しておけば、システムが材料費・労務費・経費を自動で計算します。
公共工事で求められる複合単価にも対応できるため、手計算による負担や、計算ミスのリスクを減らせます。

積算に必要な機能を標準装備しています。
官公庁案件で求められる条件に合わせた、精度の高い積算書を作成しやすくなります。

官公庁向けの積算って、手計算やExcelだけでやるには限界がありそうですね。

その通りじゃ。
条件が細かいほど、計算の手間も確認の手間も増える。
じゃから、必要な機能が最初から揃っておることが大事なんじゃよ。
公共工事の積算では、単価を入れるだけでは足りません。
歩掛や複合単価まで含めて、官公庁案件のルールに合わせて積算できるかどうかが精度を左右します。
積算見積作成Proは、その前提を最初から押さえたうえで使える点が強みです。
- 設計書で労務単価を確認する。
- 工事地に応じた材料マスタを選ぶ。
- 複合単価を正確に計算する。
- そして、毎年の単価改定にすぐ対応する。
こうした基本を、毎回きちんと積み重ねられるかどうか。
そこが、入札で勝ち続けられる会社と、そうでない会社の差になります。
「また落札できなかった……」
その原因は、単に価格が高かったからではないかもしれません。
発注者が想定している積算基準に対して、自社の積算がきちんと合っていたか。
まずは、そこを見直す必要があります。
都道府県別の労務単価を正しく管理し、工事地に応じた前提で、適正な積算を行う。
それが、入札で勝つための第一歩です。
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