「数を追う」から「粗利を残す」へ。縮小市場で勝つ原価管理が「受注の質」を変える

「受注が減った。」
令和7年、その感覚は数字として裏付けられました。

国土交通省が発表した建築着工統計調査によると、令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸(前年比▲6.5%)。

3年連続の減少となっており、持家・貸家・分譲住宅がすべて前年を下回る結果に。
どの分野も量での成長が見込みにくい局面に入っています。

参考:建築着工統計調査報告(令和7年計分)

  • 持家:201,285戸(前年比▲7.7%、4年連続減少)
  • 貸家:324,991戸(前年比▲5.0%、3年連続減少)
  • 分譲住宅:208,169戸(前年比▲7.6%、3年連続減少)

しかし、ここで大切な問題があります。
「受注数が減った」のは事実として、では利益も同じように減っているかというと――ここは会社ごとに差が出やすいところです。

着工戸数が減ると不安になりますが、市場全体の数字と、自社の利益は必ずしも一直線ではありません。

市場が縮んでいく局面だからこそ、問われるのは「受注の量」より「受注の質」。
1件あたりの工事でどれだけ利益を残せるか、その精度が会社の浮沈を分けます。

“数を追う”から“粗利を残す”へ視点を切り替えることで、何を整えるべきかを順番に整理していきます。

 

ここがポイント!

「受注が減った」ではなく「勝ち筋が変わった」

市場が右肩上がりのときは、「案件数を増やす=売上が伸びる」という構図が成立しやすい局面でした。

多少利益率にばらつきがあっても、案件が増えることで全体の売上が押し上がり、会社としては成長を実感しやすかったのです。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

右肩上がりの時って、多少どんぶり勘定やバタバタしてても、結果オーライになりやすかったですもんね。

仙人
仙人

まさにそれじゃ。昔は『忙しい=勝ち』になりやすかった。じゃが今は、忙しいのに利益が残らん…が起きやすい時代じゃ。

一方で、3年連続で着工が減少している今は、同じ戦略がそのまま通用しにくくなっています。

案件数を増やすために営業コストや見積工数をかけても、市場が縮んでいれば「取り合い」が強まり、条件交渉も厳しくなりがち。
頑張って動いた分だけ成果が増えるとは限らず、時間とコストが先に膨らむ――そんな構造になりやすい点が、いまの難しさです。

量から質へ。発想を変えた会社が生き残る

縮小局面で強い会社に共通しているのは、「1件あたりの利益を最大化する」という意識が徹底されていることです。

  • 見積の精度が高く、赤字工事が少ない
  • 工事の途中でコスト超過に気づき、早期に手を打てる
  • 完工後に「なぜ利益が出なかったか」を分析し、次に活かせる

逆に、「なんとなく受注して、完工してみたら利益がほとんど残っていなかった」という経験を繰り返している会社は、市場が縮む局面でじわじわと体力を削られていきます。

着工戸数が減っているという事実は、工事会社にとって「とにかく数で回す」やり方が以前ほど通用しにくくなってきたサインでもあります。

そして、その変化にいち早く対応できるかどうかは、見積から原価管理までの業務精度にかかっています。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

最近って、件数を増やすのも簡単じゃないから…“1件でちゃんと粗利を残せるか”が効いてきますよね。

仙人
仙人

そうじゃな。じわじわ差がつくのは、こういうところじゃ。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

見積の根拠が揃ってるか、工事の途中で原価のズレに気づけるか…。

仙人
仙人

完工してから“なんで薄利だったんじゃ?”と悩んでも遅いからのう。次に反映できる仕組みがある会社は強いぞよ。

「見積提出数を増やす」より「1本の精度を上げる」

市場が厳しくなると、「とにかく見積を多く出そう」という動きが出がちです。
ですが精度の低い見積を大量に出しても、受注しても赤字、失注しても時間だけ消耗する、という悪循環になりかねません。

本当に必要なのは、1本の見積の精度を上げること。

適正な価格で提出し、受注したら確実に利益を残す。
この基本を徹底できる体制を整えることが、縮小局面を生き残る第一歩です。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

忙しいと、つい“まず出す”を優先しちゃうんですけど…それだと後で苦しくなりますよね。

仙人
仙人

うむ。雑な見積は、受注してから“取り戻す仕事”が増えるだけじゃ。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

最初に精度を上げておけば、途中での手戻りも減って、利益が残りやすくなる…。

 

見積の精度が、粗利を決める

「見積は丁寧に作っているつもりなのに、完工すると利益が薄い」
これは多くの工事会社が抱える悩みです。

なぜ、見積と実績の間にズレが生まれるのでしょうか。

仙人
仙人

それはのう、現場で起きる“ちょっとした変化”が、積み重なるからなのじゃ。

例えば、段取りが変わって人工が増える。
材料の単価がじわっと上がる。
追加作業が発生しても、見積の数字はそのまま――。

こういったズレは、1回1回は小さく見えても、完工時には利益を削る大きな差になります。

歩掛の計算が感覚頼みになっている

工事業の見積で最も重要な要素のひとつが歩掛です。

施工方法や職種ごとに異なる係数を正確に反映しなければ、特に大規模な工事で大きな赤字につながります。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

前に似た工事があったから、“この人工でいける”って見積しちゃうことあります…。

仙人
仙人

経験は強い武器じゃ。じゃがのう、現場は毎回ちがう。高所作業が増える、搬入が遠い、作業時間が限られる…それだけで人工は簡単に増えるんじゃよ。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

“条件の違い”が、そのまま利益に響くってことですね…!

材料単価が実勢と乖離している

「去年使っていた単価表を、そのまま使っている」
そんなことはありませんか?

資材価格はここ数年、動きが大きくなっています。
1つ1つの差は小さく見えても、見積が多い会社ほど“静かにズレ”が積み上がります。

  • 単価表の更新が年1回(または更新していない)
  • 見積担当ごとに参照している単価が違う
  • 仕入れ先変更や値上げが、単価表に反映されていない
  • 「前回と同じで」と感覚で入れてしまう

古い単価で見積を出し続けると、実際の仕入れ価格との差が積み重なり、気づいたときには「工事は回ってるのに利益が薄い」という状態になります。

特に材料費比率が高い工事ほど、単価のズレはそのまま赤字リスクになります。

見積と原価が別々に管理されている

見積と原価が別々に管理されていると、いちばん困るのは「あとから振り返れない」ことです。

見積書を作成した後、受注したら別のExcelシートに転記して原価を管理するという運用方法の会社様も多いと思います。

でも、この“二度手間”は、ただ面倒なだけじゃない

・見積の内訳と、原価の項目が噛み合わない
・転記の途中で、数字や行がズレる(コピー漏れ・貼り間違い)
・「見積時点の根拠」が、原価表には残らない
・変更が入るたびに、見積・原価・請求が別々に更新になる

若葉ちゃん
若葉ちゃん

数字が合わない時って、だいたい“原因探し大会”になります…誰が何を直したかも追えなくて…。

仙人
仙人

うむ。こうなると仕事が止まる。しかも、止まったうえで“次に活かせる答え”も残らんのが一番つらいところじゃ。

「材料が上がったのか」「人工が伸びたのか」「外注が増えたのか」
本当は原因を探りたいのに、元データがつながっていないと結局“当てずっぽうの反省”になってしまいます

精度の高い見積書が、取引先の信頼にもなる

精度の問題は、コストだけではありません。
統一された、数字の根拠が明確な見積書は、取引先に対する会社の信頼にもつながります。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

見積って、“金額の提案”だけじゃなくて…会社の印象そのものになりますよね。

仙人
仙人

そうじゃ。見積書は“最初に出す仕事ぶり”みたいなもんじゃからのう。雑だと、他も雑に見られるんじゃ。

たとえば取引先が見ているのは、金額そのものだけではありません。
“この会社は、ちゃんと管理できる会社か?”を、見積書の中身から判断しています。

信頼につながる見積書の特徴

・内訳が整理されていて、何にいくらかが一目で分かる。
・数量や単価に「根拠」が見える。
・書式や項目が毎回そろっていて、確認がラク。
・条件・除外事項が明記されていて、後から揉めにくい。
・ミスが少なく、修正依頼が出にくい。取引先側の手戻りが減る。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

確かに…“確認がラクな見積”って、それだけで助かりますよね。相手も忙しいですし。

仙人
仙人

うむ。取引先がラクできる見積を出せる会社は、自然と“また頼みたい”側に残るんじゃよ。

そして市場が縮む局面では、取引先側も「失敗したくない」意識が強くなります。
だからこそ、見積の精度が高い会社ほど、値引き交渉に巻き込まれにくくなりやすい。

「この会社は、数字がしっかりしている」──その安心感が、次の受注につながっていきます。

 

工事別原価の「見える化」が経営を変える

見積の精度を上げるのは「スタートの設計図」を整えること。
そしてもう一つ欠かせないのが、工事が進む中での原価の「見える化」です。

工事は、予定通りに進むとは限りません。

追加対応が入る、材料が想定より出る、外注が増える。
こうしたズレは、現場では日常的に起きます。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

数字って、最後にまとめて見ればいいと思ってました…。

仙人
仙人

最終だけ見るのは“通知表”を見るようなもんじゃ。
大事なのは、途中でズレに気づいて直せることじゃよ。

月末に集計してから気づいても遅い

多くの工事会社では、原価の確認が「月末にまとめて集計する」流れになりがちです。
ただ、このやり方だと、数字が見えるのは“結果が出たあと”。完工してから「あ、この案件赤字だった…」と気づいても、もう取り返しがつきません。

本当に守りたいのは、工事の途中で「ズレ」に気づける状態です。

  • 材料が想定より出ているなら発注や拾い出しを見直す。
  • 外注費が膨らみそうなら、段取り変更や条件の再確認を早めに入れる。

“赤字が確定してから動く”のではなく、赤字になりそうな芽を早めに摘むことが、完工時の利益を守ります。

月末に集計してから気づいても遅い

実行予算書が「計画」と「現実」をつなぐ。
見積書を作成したら、それをベースに「実行予算書」を作成する。
材料費・労務費・外注費・経費それぞれの予算を工事ごとに設定し、実際の支出と比較しながら工事を進める——。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

見積は作ってるけど…“実行予算書”って、正直そこまで手が回ってない会社も多いですよね。

仙人
仙人

そうじゃな。でも、ここがあるかないかで“儲かる工事”の作り方が変わるんじゃよ。

実行予算で予算管理の精度を最大化!受注書との紐づけでスムーズ作成
実行予算書があると、工事中の判断が早くなる

・計画(予算):この工事は材料費いくら、労務いくら、外注いくらで収める
・現実(実績):実際に今どれだけ使っているか
・差分(ズレ):予算より増えている項目はどれか
・対処(手を打つ):発注方法の見直し/外注の出し方の調整/段取り変更 など

若葉ちゃん
若葉ちゃん

なるほど…“最後に集計して反省”じゃなくて、“途中で気づいて直す”ための仕組みなんですね。

ハウロードなら「見積→実行予算→原価」がつながる

ハウロードシリーズでは、見積書を作成するとそのデータをそのまま実行予算書に引き継ぐことができます。

材料費・労務費・外注費・経費の予算が自動で展開されるため、「受注したあとにゼロから予算を組み直す」という手間が発生しません。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

見積を作ったあとに、また実行予算を”ゼロから作り直す”って、
現実的に続かないですもんね…。

仙人
仙人

じゃから”つながる”のが肝なんじゃ。
見積→実行予算→原価管理が一本で流れれば、
途中でズレに気づけて、利益を守りやすくなるんじゃよ。

見積書作成を起点として、受注管理・原価管理まで同じデータの流れで管理できるのが、ハウロードシリーズの強みです。
転記・チェック作業が発生しにくい分、「なぜ利益がズレたのか」を追いかける時間に使えます。

「どの工事が儲かっているか」が見えると、経営判断が変わる

工事別の原価・粗利が可視化されると、経営に大きな変化が生まれます。

「得意先Aとの工事は粗利率が高く、得意先Bとの工事は人工がかかって利益が薄い」
「配線工事は得意だが、設備改修工事はコストがかさみやすい」
こうした分析が、データとして蓄積されていくのです。

縮小する市場の中では、「とにかく取れそうな案件を全部取る」よりも、限られた人手と時間をどこに使うかが有効になってきます。

どの案件を優先するか、どの取引先と関係を深めるか。
その判断を“感覚”だけに頼ると、忙しいのに利益が残らない状態になってしまいます。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

工事別に粗利とか原価の動きが見えると、“なんとなく儲かった”がなくなりますよね…!

仙人
仙人

そうじゃ。儲かった理由、薄かった理由が言葉にできるようになる。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

理由が分かると、“次は同じミスをしない見積”が作れますね。

「1件で稼げる会社」になるために、今できること

着工戸数が減少し続ける中でも、着実に利益を伸ばしている工事会社には共通点があります。

「工事1件あたりの利益」を意識できる環境があること。

着工戸数の減少は、外部環境の変化です。
自社ではコントロールできません。

ですが1件あたりの工事でどれだけ利益を残せるかは、自社の管理体制で変えられます。

  • 見積の精度を上げる。
  • 実行予算と実績を比較する。
  • 工事別の粗利を可視化する。

これらは決して難しいことではありません。正しいツールと仕組みがあれば、今日から始められることです。

市場が縮んでいくとき、会社の実力差は如実に出ます。

「受注が減ったから仕方ない」と諦める会社と、「1件あたりの利益を最大化しよう」と動く会社。
3年後、5年後に大きな差になって現れるのは、今どちらの方向を向いているかです。

ハウロードシリーズは創業以来、工事業者様の業務向上を支え続けてきた専用システムです。
見積作成の時間を1/4に短縮し、赤字工事の原因をデータで追跡できる仕組みが1件あたりの利益を守ります。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

“この場合どう処理すればいい?”って、現場あるあるの質問…電話だと説明しにくい時ありますよね。

仙人
仙人

じゃが、工事業の業務を分かっとるスタッフなら、状況を聞くだけでピンと来る。

若葉ちゃん
若葉ちゃん

専門用語をわざわざ噛み砕かなくても伝わるの、ありがたい…!

仙人
仙人

そういう“話が通じる安心”が、長年ご好評の理由じゃな。

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