近年当サイトのコンテンツを無断で複製しているサイトを見受けますが、本サイトの掲載内容の一部およびすべてについて、事前の許諾なく無断で複製、転載等を行う行為は、著作権侵害となり法的に罰せられることがあります。
夏が近づいてくる度にニュース等でも話題となる、熱中症。
熱中症対策の重要性は年々増していますが、工事業の作業員にとってそのリスクは屋内で作業を行う業種の比ではありません。
- 冷房等の設備がない屋内で、直射日光の下作業を行う
- 重い安全装備を身につけている
- 長時間の肉体労働を行う
熱中症は、時に命を脅かす深刻な状態に至ることもあります。
そのため、熱中症のリスクについては工事現場で働くすべての人々が知っておく必要があり、かつ適切な予防策を講じることが不可欠です。
今回は熱中症の症状等を解説していきながら、工事現場で働く方向けの熱中症対策についてまとめてみました。
実は去年の夏、冷房が壊れてしまって…。
知らないうちに熱中症になってしまったことがあるんです。
屋内にいても熱中症となることはある。
屋外とあってはなおさらじゃ。まずはどのような症状があるのかを理解していこう。
そもそも、熱中症とはどのような症状になるのか
熱中症はしばしば予告なしに訪れますが、多くの場合、初期段階でいくつかの警告サインが現れます。
これらのサインを見逃さずに早期に察知することが重症化を防ぎ、時には命を救うことにつながります。
重症度Ⅰ度(軽症) | 意識ははっきりしているが、 手足がしびれる めまい、立ちくらみがある 筋肉のこむら返りがある(痛い) |
重症度Ⅱ度(中等症) | 吐き気がする・吐く 頭ががんがんする(頭痛) からだがだるい(倦怠感) 意識が何となくおかしい |
重症度Ⅲ度(重症) | 意識がない 呼びかけに対し返事がおかしい からだがひきつる(けいれん) まっすぐ歩けない・走れない からだが熱い |
重症度Ⅲ度(重症)の場合は救急車要請を行い対応をする。
重症度Ⅱ度(中等症)もすみやかに医療機関への受診を行うのじゃ。
工事業の重労働を伴う作業は、そうでなくても疲れやすいですし、これらの症状には特に注意が必要です。
熱中症の症状は個人差が大きく、軽い症状から急激に重症化することもあります。
初期症状を感じたら直ちに作業を中断し、冷涼な場所で休息を取ったり、水分や塩分を摂る、医療機関へ受診するなど適切な対応を行うことが重要です。
熱中症のリスクが高くなる状況を知る
仙人、症状については分かってきましたが、どのような状況で熱中症になりやすい…というものはありますか?
うむ、いくつか注意すべき環境があるわい。
熱中症は、体の冷却機能が高温環境によって追いつかなくなった時に発生します。
高温多湿や風通しが悪いなど、体内に溜まった熱を体外に逃しにくい環境や汗の蒸発が十分に行われない環境では熱中症になりやすくなってしまいます。
- 高温
- 多湿
- 風が弱い
- 日差しが強い
- 閉め切った室内やエアコンがない
- 急に暑くなった日
夏の屋外での作業はどうしても高温・強い日差しの中ですし、業種によってはエアコンがない現場の割合の方が多いですよね。
工事現場のような屋外作業環境では、熱中症のリスクを劇的に高めます。
また、作業中の注意力が散漫になり、作業中の事故が起こる可能性が高まるため、予防策の理解と実施は現場作業の安全を確保する上で欠かせません。
基本の予防策
熱中症は、適切な予防策を講じることで大きくリスクを減らすことが可能です。
ここからは取り入れやすい具体的な方法を紹介していきます。
WBGT値の把握
熱中症対策を行う上で重要になってくるのがWBGT値です。
気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。
出典:令和6年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します – 厚生労働省のホームページ
WBGT値が高いほど熱中症のリスクが高まるため、特に屋外での作業や高温環境下での活動を行う場合には、作業前にこの値をチェックすることが重要です。
また、値をチェックした後はガイドラインに基づいて適切な休憩時間や水分補給を計画することが推奨されます。
WBGT値は下記のサイトで確認できるわい。
十分な水分補給
十分な水分補給も熱中症予防において非常に重要なポイントのひとつです。
一般的に、通常の状態でも水分補給は1日の必要量として約1.5リットルが推奨されています。
特に暑い日や高温の環境下で作業を行う際は、体から大量の汗とともに水分と電解質が失われます。
これを適時に補給することが必要です。
- 喉が渇いたと感じる前に、水またはスポーツドリンクを小まめに摂取する
- 一気にたくさん飲むのではなく、複数回に分けて摂取する
- 1日の必要量を意識する
- 塩分の適度な摂取
- 身体の信号に注意を払う…疲労感や頭痛などのサインも水分不足の兆候として認識し、適宜水分補給を行う
環境の整備
適切な環境整備によって、健康リスクを軽減することができます。
環境の整備に関する対策をいくつか挙げていきます。
直射日光が当たる場所には出来るだけ日よけを設置します。
- 仮設のテントを設置する
- パラソル
- 遮光ネット
風通しの確保によって、熱がこもりにくくなります。
自然の風通しを促し、空気の流れを改善します。
- 窓や扉を開放する
- 工業用ファンの設置
- 換気システムの設置
特に温度が高い地域や密閉された空間では、エアコンディショナーや冷却ファンなどの冷却システムを使用することが効果的です。
湿度の高い環境は汗の蒸発を妨げてしまい、体温調節が難しくなってしまいます。
除湿器を用い湿度をコントロールすることで、より快適で健康的な作業環境を維持します。
湿度の高さも関係があるなんて、なんだか意外ですね。
そうかもしれないのぅ。
ひとつひとつ、知識を深め改善していこう。
これらの対策を組み合わせて実施することで、作業環境が大幅に改善され、安全かつ健康的に作業を行うことができるようになります。
熱中症予防は単なる健康管理だけでなく、作業効率の向上にも関わってきます。
適切な休憩
作業中は、少なくとも1時間ごとに10〜15分の休憩を取るようにしましょう。特に気温が高い日は、30分おきに短時間の休憩を取ることも効果的です。
加えて休憩の質を上げるため、下記のポイントにも注意してみましょう。
休憩時は、できるだけ日陰や冷房の効いた場所で体を冷やすことが重要です。
直射日光を避け、体温を下げられる環境づくりを行います。
長時間同じ姿勢で作業すると、体の一部に負担がかかります。
休憩時には軽いストレッチを行うことで血流を改善し、疲労回復にもつながります。
可能であれば日の出前や夕方など、比較的涼しい時間帯に重労働を行い、日中の最も暑い時間帯は軽作業や休憩を多く取り入れるようスケジュールを調整します。
これにより、熱中症のリスクをさらに低減できます。
時間帯によって作業比重を変える、というのは中々盲点なアイディアかもしれませんね。
熱中症対策に効果的な服装を選ぶ
服装は体温調節に大きな影響を与えます。
どのような服装が効果的なのか、具体的なポイントを押さえておくことが大切です。
通気性が高く、汗を素早く吸収・発散する機能を持った作業着を選びます。
肌に触れた時に冷たく感じる特殊な素材を用いた服は、体感温度を下げてくれるため、熱中症予防に効果的です。
UVカット機能がある長袖シャツも有効です。
- 日焼けを防ぐ
- 太陽の直射日光から肌を保護する
また、薄手の素材を選ぶことで通気性も確保できます。
広いつばのある帽子は顔や首を日差しから守り、頭部の過度の加熱を防ぎます。
通気性の良い素材でできたものを選ぶとさらに効果的です。
最近よく見かけるようになってきた冷却ベストは、長時間の屋外作業でも体を涼しく保つのに役立ちます。
作業内容に合わせた、軽量で動きやすいデザインのものがおすすめです。
緊急時の措置の確認
注意を払っていても、予期せぬ体調不良が発生することがあります。
そのため、緊急時の対応策を事前に策定し、それを従業員一人ひとりが確認しておくことが重要です。
迅速かつ適切な措置は、大事に至ることを防ぐことができます。
- 緊急連絡先の確認
- 応急処置の手順
- 必要な装備の点検
上記のように基本的な準備から始め、周知を行いましょう。
事前の準備があれば万が一の事態にも冷静に対処できるようになりまし、しっかりと対策を講じることで安心にも繋がります。
常日頃から、コミュニケーションを
熱中症対策は、工事現場での安全と健康を守るために欠かせません。
今回ご紹介したような涼しい服装や適切な水分補給、体調管理や緊急時の対応策など、出来る対策を一つひとつ着実に行っていきましょう。
「●●くんの顔色が良くないかもしれない」
部下の異変に気が付くには、普段からのコミュニケーションも重要になってきそうですね。
その通り。
普段からのコミュニケーションで
- 仲間同士でお互いの体調を確認しあえる環境
- 体調の悩みを上司に適切に伝えられる環境
- 異変に気づいたらすぐに声をかけられる環境
を整えていこう。
熱中症対策を徹底し、安全に作業を進めるためには、コミュニケーションの確保が欠かせません。
日々の作業が安全で効率的に進むためには、みんなが安心して働ける職場作りが必要です。
気になることがあったら遠慮せずにすぐに報告できる環境の整備を行い、、お互いに気を配りながら、安心して作業に取り組みましょう。
参考:熱中症環境保健マニュアル2022 – 環境省環境保健部環境安全課
工事業向けの一元管理ソフト
「ならでは」の部分も多い工事業の一元管理におすすめなのが、ハウロードシリーズの導入です。
ハウロードシリーズは、見積・積算・受注・原価・販売管理を1つのシステムで管理が行えるのじゃ!
手作業では大幅にかかっていた作業時間も、工事業に特化したハウロードシリーズを導入することで解消されます。
工事業特有の見積作成から施工後までの管理を一貫してひとつのシステムで管理が行えます。
ハウロードシリーズは工事業に沿って設計されたソフトウェア。
工事業の複雑な見積・積算作成も簡単に行えます。
歩掛などにも対応した適正価格の見積書を、誰にでも簡単に作成が行えます。
例えば見積作成は表計算ソフトと比較した場合、1/4の時間で作成が行えるわい。
他にも、経営戦略に繋がるデータを見える化。50種類以上の管理帳票で、御社の業務を支援します。
- 受注決定報告書
- 原価報告書
- 完成工事原価報告書
- 工事状況一覧表
- 受注書
- 工事台帳
- 仕掛⼯事⼀覧表 など
作成した見積書データや受注一覧表などは、リアルタイムで把握が行えます。
社内間・支店間、全体の状況をスムーズに把握ができることで、更なる業務効率化が目指せます。
忙しい工事業だからこそ、専用ソフトを上手に活用して効率よく作業を行いたいものですね。