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見積と実際にかかったコストが合わない…と悩んでいませんか?
「ちゃんと計画したはずなのに、最近なぜか利益が出ない…」「以前はそんなことなかったのに、最近同じ価格で施工をしていても利益が少なくなったように思う」
そう戸惑っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
銅など工事業で欠かせない資材の価格が高騰している昨今。
市場価格の変動に対応した見積もりを作成することが、赤字工事を防ぐための重要なポイントになっています。
仙人、いつもの価格で施工しているのに、なんだか利益が少ないんです…。
ふむ…。
前はこんなことなかったのに…。
それは、「現在の適正価格」に対応できていないからかもしれないのう。
「現在の適正価格」…。
それはどのように調べればいいんでしょうか?
そのカギとなるのが、積算じゃ。
安定して利益を得るためにも、積算の正確性が今まで以上に求められる時代になりました。
今回は積算の重要性と効果的な方法について詳しく解説していきます。
積算とは?基本的な目的
仙人、積算とはどのようなことですか?
積算とは、工事に必要な資材、労働力、機械設備などのコストを細かく算出する作業を指します。
積算とは?積算の方法【赤字工事をなくす工事業の見積作成】
コストを細かく算出…聞いただけで大変そうな作業です。
でも、それが「現在の適正価格」のカギとなるんですね。
確かに積算は大変な作業。
それゆえ、大きな役割を果たすのじゃ。
積算で、現在の適正価格を知る
どうして積算が「現在の適正価格」のカギとなるのでしょう?
うむ、先ほど若葉ちゃんは「前はこんなことなかった」と話していたのう。
はい、以前はちゃんと想定通りの利益が出ていましたよ。
では、「その時点では」計算式や見積方法は適切だったと考えられる。
そうなんです。なのでここ最近が本当に不思議で…。お手上げです。
以前は利益が取れていた場合、その時点での計算式や見積もり方法は適切であったと考えられます。
ですが、工事業を取り巻く環境は日々変化しています。
時代変遷や市場動向の変化、技術基準などは時間とともに変化していくため、かつて有効だった方法が現在も適用できるとは限りません。
特に工事業の場合、大きく変動する要素がいくつかあるのじゃ。
キーポイント1:資材の価格が安定していない
工事業で使用する資材は、価格が頻繁に変動しています。
この変動は、原材料の供給不足、輸送コストの変化、市場の需要と供給のバランスの変動などの要因によるものです。
確かにウッドショックの際は、ニュースでも頻繁に話題が取り上げられていましたね。
うむ。
そして話題に上がっていなくとも、資材の価格は日夜変動しておるわい。
例えば、鉄鋼やコンクリートなどの価格は変動が起きやすく、かつ急騰した場合は建設コストに直結します。
また、原油価格の急激な上昇は運送費用に影響を及ぼし、工事全体のコストにも関わってきます。
そう言われてみれば、先月は県外での工事が多くて…。
作業員が現場へ行くガソリン代もかなりの出費だったんです。
時に若葉ちゃん。ガソリン代を計算している際、1Lいくらで計算しておるかね?
えっと…創業当初の価格のまま計算していますね。
ガソリン価格も全国的に長年高騰しているからのう。
今現在、その価格でガソリンを入れられるスタンドはあるかね?
…なるほど。
こうした小さな積み重ねが、利益を減らしていたんですね。
キーポイント2:価格変動の要因が多岐に渡る
また、他の業種と比べ、価格変動が起きる資材を多岐に渡り使用している点も注意が必要です。
先ほどのガソリン代のように、価格変動が起きやすいネジ、銅線、機材といった幅広いジャンルの資材を大量に使用します。
これらの資材は市場の小さな変動にも敏感で、少しの価格変動が全体の予算に大きな影響を与えることがあります。
例えば「生コンクリート」など主要資材の一部は、国土交通省のホームページで毎月価格動向が掲載されておるわい。
そうだったんですね!是非情報を活用します。
…そうなってくると、労働者の賃金も変動が激しいひとつですよね。
素晴らしい!
労務費についても、同様に定期的に労務単価の見直しが行われています。
こちらも国土交通省のホームページで情報が公開されており、47都道府県別、工種別の「公共工事設計労務単価表」も無料で閲覧することができます。
平成25年度の改訂から12年連続の引き上げ…なるほど、だんだん利益が減っていた理由が見えてきました。
資材・労務費以外にも変動はあります。
材料と人手…それ以外にどんな変動があるんでしょう?
うむ、企業として継続するためには様々な経費があるからのう。
工事業の見積を作成する際、大まかに分けて下記の構成となっています。
共通仮設費 | 共通の施設や設備の設置に関連する費用。 敷地測量や敷地整理、道路の占用や使用料など、工事を始める前に必要な準備に関連する費用(準備費)など。 |
現場管理費 | 建設現場の運営や管理にかかる費用。 現場で働く労働者の管理に関連する費用(労務管理費)など。これには労働者の募集、福利厚生、安全対策、研修などが含まれます。また、災害時の事業主が負担する給付も含まれます。 |
一般管理費 | 直接的に工事には関連しないものの、日常的に発生する経費。 本店や支店の従業員に対する給料、諸手当、賞与などの費用(従業員給料手当)や建物や機械、装置などの修繕や維持管理に必要な費用(維持修繕費)など。 |
確かに私たちの給料は、直接工事費には含みませんよね。
でも仙人、こういった費用って、どう計算すればいいんでしょう?
先ほどご紹介した共通仮設費・現場管理費・一般管理費は共通費として一式にて計上を行います。
- 費用を積み上げにより算定
- 過去の実績等に基づく比率により算定
- 工事原価に対する比率により算定
なるほど、比率…!
うむ。そしてその比率は、
- 共通仮設費…直接工事費に対する比率
- 現場管理費…純工事費に対する比率
- 一般管理費…工事原価に対する比率
と、それぞれ対象が異なるのじゃ。
考えただけで気が遠くなってきました…。
他にも注意点はありますか?
先ほど例に挙げたガソリン代のように、それらの費用は時代変遷などによって変動が生じます。
算出する際に用いる比率も、時代変遷に応じた改定が行われる点に注意が必要です。
言われてみれば、当然対応していなかければならない変化ですよね。
でも、盲点というか…対応が大変なだけに、考えないようにしていたかもしれません。
気持ちはよく分かる。
じゃが、これらの対応を一つひとつ適切に行っていくことで、「現在の適正価格」のカギに繋がるのじゃ。
積算の重要性、だんだん分かってきました。
他にも積算を行うメリットはありますか?
積算のメリット
積算は、工事業における利益に直接影響を及ぼします。
積算が正確であれば、競争力を維持しながら利益を確保することができます。
反対に積算が不正確であれば、過剰な工事価格を見積もられたり、逆に工事価格を過小評価してしまう原因となる可能性があります。
- 過剰な工事価格…入札などでの競争力を失い、仕事を逃す原因に
- 工事価格を過小評価…施工時に予算を超過し、最終的には利益が減少したり赤字工事の要因に
メリット1:予算編成とコスト管理の精度向上
積算は、予算編成とコスト管理の精度向上にも大きく関係してきます。
- 予算編成…必要な資材や労働力、機械設備などのコストを正確に判断できる
- コスト管理…工事の施工段階においても、予算オーバーのリスクを早期に発見し、適切な対策を講じることが可能
各タスクの予算が明確だと、予算を超えた時も対応しやすいですよね。
その通り!
もし予算を超えてしまった場合でも、後々「なぜそうなったのか」の振り返りもしやすいわい。
メリット2:事業計画の安定化
正確な積算は、工事に対する潜在的なリスクを特定し、必要な対策を準備する要にもなります。
前章にて、下記のように解説を行いました。
- 過剰な工事価格…入札などでの競争力を失い、仕事を逃す原因に
- 工事価格を過小評価…施工時に予算を超過し、最終的には利益が減少したり赤字工事の要因に
各タスクの予算が明確だと、予算を超えた時も対応しやすいですよね。
うむ。
そして1件1件の工事について情報が明確になれば、事業計画の精度にも関わってくるのじゃ。
正確な予算管理は、会社を上手に運営するために非常に大切です。
予算をしっかり設定しておくと、予期しない出費が起こったときでもすぐに対応できます。
また、社内のお金の流れを冷静に見ることができるため、必要なときに他の重要な案件に資金を移す判断を下せます。
メリット3:積算の結果を基にしたコスト削減策
積算の結果を活用することで、コスト削減にも繋がります。
- 資材調達段階で、価格と品質のバランスを追求することができる
- 労働力の効率化を図ることができる
積算を行うことで、例えば同じ品質の木材であればどの仕入先のコストパフォーマンスが最も良いかの判断に繋げることができます。
品質を維持しつつ最も最適な価格で資材を確保することができ、結果的に全体のコストを抑えることができます。
積算結果を基に具体的な工程計画を立てることで、過不足なく労働力を割り当てることができます。
各工程で必要な作業員の数を適切に計算することで、人件費の過剰支出を防ぎつつ、効率的な作業進行が行えます。
正確な積算は、適切な利益を確保しながら企業としての経営を行っていく上では必要不可欠です。
最新の市場動向や関連情報を常に把握し、その都度迅速かつ柔軟に対応することが、工事業においては特に重要です。
工事業向けの、利益管理・見積作成ソフト
細かな材料や材料価格の変動も多い工事業において、 正確な積算は手間や膨大な時間がかかります。
そうなんです、なので今回のお話しで大切だと分かったものの…。
そこでおすすめなのが、工事業向けの見積作成ソフトじゃ。
ハウロードシリーズは、見積・積算・受注・原価・販売管理を1つのシステムで管理が行えます。
手作業では大幅にかかっていた作業時間も、工事業に特化したハウロードシリーズを導入することで解消されます。
工事業特有の見積作成から施工後までの管理を一貫してひとつのシステムで管理が行えます。
ハウロードシリーズは工事業に沿って設計されたソフトウェア。
工事業の複雑な見積・積算作成も簡単に行えます。
歩掛などにも対応した適正価格の見積書を、誰にでも簡単に作成が行えます。
例えば見積作成は表計算ソフトと比較した場合、1/4の時間で作成が行えるわい。
他にも、経営戦略に繋がるデータを見える化。50種類以上の管理帳票で、御社の業務を支援します。
- 受注決定報告書
- 原価報告書
- 完成工事原価報告書
- 工事状況一覧表
- 受注書
- 工事台帳
- 仕掛⼯事⼀覧表 など
作成した見積書データや受注一覧表などは、リアルタイムで把握が行えます。
社内間・支店間、全体の状況をスムーズに把握ができることで、更なる業務効率化が目指せます。
忙しい工事業だからこそ、専用ソフトを上手に活用して効率よく作業を行いたいものですね。