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経営を行う上では、正確な原価管理が成功の鍵を握っています。
多くの工事業者さんにとって、この課題は日々の業務の中で頭を悩ませる部分です。
一般的な原価管理知識はあるんですが、どうもうまく行かないんですよね…。
素晴らしい!
一般的な業種と工事業では、異なる部分が多いからのう。
なるほど!具体的には、どのような部分が異なるのでしょうか?
一般的な業種と異なり、工事案件の性質が一つ一つ異なる工事業では、一般的な原価管理手法だけでは対応が難しいことがあります。
今回は工事業の原価管理の特殊性を解説し、より効果的なコスト管理を実現するための解決策をご紹介します。
工事業の原価管理の基本
一般的な業種の原価管理についてまずは学ぼう。
まずは原価管理の基本を確認した上で、工事業との違いを確認していきましょう。
原価管理は、企業が製品やサービスを提供する上で発生するコストを効率的に管理し、利益を最大化するためのプロセスです。
・無駄を削減する
・予算を正確に設定できる
無駄の削減から予算の設定の一連の流れがきちんと行えれば、長期的な成長にも繋がりそうですよね
その通り!そして、競争の激しい市場でも、立場を守っていくことができるのじゃよ。
基本の原価管理
原価管理を行う上では、4つのステップがあります。
- 標準原価の設定
- 原価計算を行う
- 標準原価と実際原価の比較を行う
- 上記を元に、改善を行う
ここまでの流れが、原価管理じゃ。
なるほど。それぞれ、詳細を教えてください!
標準原価の設定
製品製造やサービス提供の際、目指すべき目標の原価を標準原価といいます。
- 原材料の量
- 原材料の価格
- 労働時間
など、必要になる様々なコストから算出を行います。
原価計算を行う
原価計算では、製品やサービスごとで実際にかかった細かなコストを計算します。
材料費、労務費、経費を含めた、全てのコストを計算に含みます。
先ほどの「標準原価の設定」との違いは何でしょうか?
うむ、簡単に言えば、
・標準原価の設定…予測に基づいた概算
・原価計算…小さな数字でも見逃さずに計上する必要がある
という点が異なるわい。
また、原価計算を行う上では方法がいくつかあります。
- 標準原価計算
- 実際原価計算
- 直接原価計算
今回の説明では詳細は省くが、目的に応じて使い分ける必要があるのじゃよ。
標準原価と実際原価の比較を行う
なるほど、だんだん分かってきました。
次は「標準原価…目標の原価」と「実際にかかった原価」を比較するのですね。
その通り!
標準原価と実際原価の比較を通じ、差異の分析を行います。
分析を行う際は、下記の主要項目に焦点を当て、それぞれのコストが予定とどのように異なったかを調査します。
- 直接材料費
- 直接労務費
- 製造間接費
改善を行う
先ほどの標準原価と実際原価の比較を行った上で、コストで差が生じている場合はそれを改善する必要があります。
差が生じた原因を元に、コスト削減や改善の機会を特定し、それを実際の運営に反映させます。
この一連の流れが、原価管理なのじゃ。
利益を増やすって、大変なことですね…。
仙人、ここまでは一般業種の原価管理ですよね。工事業ではどのような点が違うのでしょうか?
それを知るためには、まず工事業の原価管理が特殊な理由を解説しようかの。
工事業における原価管理の特殊性
工事案件ごとの変動が大きい
工事業では、案件ごとに要件が異なります。
標準化された原価計算方法ではなく、案件毎の要因を考慮した、柔軟な原価管理が必要となります。
確かに同じ「蛍光灯を付ける工事」だったとしても、全く同じ工事はありませんよね。
うむ。取り付ける条件や場所、器具そのもの…一つとして同じ工事はないわい。
工期が長期間にわたる
工事プロジェクトは長期にわたることが多く、原価管理が一般的な業種よりも複雑となります。
長期間に及ぶ工事では、市場の変動や資材の価格変動が原価へ直接影響を与えます。
そのため、工事が完了した後…ではなく、工期中も常に原価の確認や調整が必要なのじゃ。
季節や天候に左右される
工事業は季節や天候の影響を直接受けやすく、予期せぬ天候が作業の遅延を引き起こすことがあります。
確かに、天候不良の日が続けばそれだけ工事のできない期間も伸びてしまったり…問題が色々発生しますよね。
うむ。そういった天候リスクを考慮した原価計画を行う必要があるわい。
協力会社との連携が多い
施工を行う際は通常、多くの協力会社との連携が発生します。
確かに元請・下請という言葉は、私は工事業に携わってから使うようになりました。
それほど協力会社が多いということじゃのう。
だからこそ、協力会社のコスト管理も適切に行うことが、全体の原価管理の成功には不可欠なのじゃよ。
資材価格の変動が多い
工事業で使用する材料の価格は、銅などの変動が大きな材料も多く頻繁に変動します。
予算策定時の原価見積もりが容易ではなく、常に市場価格の確認を怠らないことが大切です。
作業の進捗に応じた原価計算の必要性
上記の資材価格の変動等、原価の変わりやすい要因が多いため、進捗状況に応じて定期的に都度原価を再計算する必要があります。
なるほど、一般的な業種との違いが分かってきました。
工事業の原価管理
これまでの章の内容を元に、工事業の原価管理の特性をまとめてみましょう。
- 一つひとつの工事ごとに行う必要がある
- 施工中でも、原価の管理や調整が必要
- 材料価格の変動や協力会社の連携など、懸念事項が多い
そしてこれらの違いがありながら、先ほどの一般的な原価管理の4つのステップを踏む必要があるのですよね。
その通り!
原価管理の時点で大変そうだなと思ったのですが、更に大変な要素が多いことが分かりました。
うむ、そうじゃのう…。
そんな時は、工事業向けの専用ソフトの活用もおすすめじゃ。
原価管理は、工事業向け原価管理システムにお任せ
細かな材料や材料価格の変動も多い工事業において、 正確な原価管理は手間や膨大な時間がかかります。
そうなんです、だからいつも後回しになっていて…。
ですが原価管理をおざなりにしていては万が一の時にも対策が行えませんし、赤字工事の発生にも繋がります。
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弊社のハウロードシリーズの見積・積算システムは、パソコン1台でご使用いただく場合165,000円(税込)からご用意。
売り切り型で「年度使用料」などの継続利用にかかる費用がないのもポイントじゃ。
- 電気工事業向けEシリーズ
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相場が高い印象の工事業専用ソフトですが、リーズナブルな価格で豊富な機能を取り揃えています。
工事業特有の見積作成から施工後までの管理を一貫してひとつのシステムで管理が行えます。
ハウロードシリーズは工事業に沿って設計されたソフトウェア。
工事業の複雑な見積・積算作成も簡単に行えます。
歩掛などにも対応した適正価格の見積書を、誰にでも簡単に作成が行えます。
例えば見積作成は表計算ソフトと比較した場合、1/4の時間で作成が行えるわい。
他にも、経営戦略に繋がるデータを見える化。50種類以上の管理帳票で、御社の業務を支援します。
- 受注決定報告書
- 原価報告書
- 完成工事原価報告書
- 工事状況一覧表
- 受注書
- 工事台帳
- 仕掛⼯事⼀覧表 など
作成した見積書データや受注一覧表などは、リアルタイムで把握が行えます。
社内間・支店間、全体の状況をスムーズに把握ができることで、更なる業務効率化が目指せます。
忙しい工事業だからこそ、専用ソフトを上手に活用して効率よく作業を行いたいものですね。