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工事業において、見積書作成は欠かせない業務のひとつです。
銅などの価格変動が起きやすい資材を使う工事業では、適正価格の見積書の作成が欠かせません。
これまでもコラムでは、見積書の構成等を解説してきたわい。
仙人、だんだん見積書のことが分かってきたものの…。
上司から「材工分離方式で見積書を作って」と言われて困っています。それって何のことでしょう?
素晴らしい!それでは今回は材工分離方式の解説を行おう。
言葉だけ見ると材工分離方式は非常に難しそうな印象を受けるかもしれませんが、実は一般的な見積書の記載方法。
今回は材工分離方式についてメリット等も踏まえて解説していきます。
工事業における見積書の種類
工事業の見積書は、記載方法が二通りあります。
- 材工分離方式(材工別単価)
- 複合単価方式(材工共単価)
なるほど、記載方法の一種なのですね。
この二つは、どのような違いがあるのでしょうか?
まずは見本を見せよう。
材工分離方式(材工別単価)
直接工事費の中の「材料費」「労務費」「直接経費(機械経費など)」をそれぞれ分けて算出し、行を分けて見積書に記載する方法です。
複合単価方式(材工共単価)
労務費などの施工費を材料費の中に加え、材料名ごとに見積書に記載する方法です。
「材工共」と表記されます。
なるほど、記載方法の一種なのですね。「労務費」の記載の仕方が違うのですね。
鋭い!詳しく解説していこう。
材工分離方式の見積書とは
材工分離方式の見積書は、材料費(材)と工賃(工)を分けて表示する方法です。
工事費…つまり労務費のことじゃの。
そう聞くと分かりやすいですね。
材工分離方式の見積書では、材料費と労務費を分けて記載し、最終的にこれらの項目を合計して直接工事費を算出します。
複合単価方式と材工分離方式の見積書の違い
材工分離方式の見積書では材料費と労務費を分けて記載するのに対し、複合単価方式ではそれらの項目を合算した状態で算出を行います。
なるほど、違いが分かりました。
ただ、どうしてそのような違いがあるのでしょうか?
複合単価方式は、主に官公庁の見積書で使用される記載方法なのじゃよ。
そうだったんですね…!
- 材工分離方式(材工別単価)…一般的に使用される
- 複合単価方式(材工共単価)…主に官公庁(公共工事)で使用される
では、材工分離方式ではどのように計算を行うのでしょうか?
材工分離方式の基本的な計算方法
材工分離方式では、材料費と労務費をそれぞれ下記のように算出します。
材料費
材料費=数量×補給率×単価
労務費
労務費=数量×補給率×歩掛×労務単価
こちらでも補給率を掛けるのですね。
うむ、材料と同じだけ手間もかかるからのう。
なるほど。では、歩掛とは何でしょう?
歩掛とは?使うメリットは?工事業の見積作成を初心者にもわかりやすく解説!
その際、施工内容に応じた歩掛を用いることが大切じゃ。
だんだん分かってきましたよ!
合計
材料費と労務費が算出できたら、それらの項目を合算します。
これで工事費が算出できたのですね!
残念ながら、まだなのじゃよ。
工事費の構成をもう一度見てみよう。
今回算出したのは「直接工事費」ですよね。
本当だ、他にもいろんな項目がありますね…。
うむ。じゃが、いずれも重要な項目ばかり。
一つひとつ丁寧に算出することで、赤字工事を防ぐことができるのじゃ。
中々大変な作業ですね。
…仙人、材工分離方式で見積書を書くメリットはありますか?
材工分離方式の見積書のメリット
材工分離方式の見積書は、見積書の透明性の向上やコスト管理の効率化など、多くの利点があります。
一般工事でこの記載方法が使用されている理由のひとつに、コスト削減と資材の選定が挙げられます。
一般工事では市場の価格変動に柔軟に対応する必要があります。
材工分離方式では労務費が独立しているため、万が一材料費が変動しても、全体の見積への影響を抑えることができます。
見積書の透明性の向上
材料費と労務費を分けて記載することで、見積書全体の透明性が向上します。
工事費の内訳を正確に把握しやすくなるため、発注者の信頼へと繋がる他、社内でも施工を行う際の判断基準資料の一つとなります。
確かに、「どこまでが施工範囲なのか」がより分かりやすくなりますよね。
うむ。
誤解が生じるリスクを減らし、問題が起きた際もスムーズにに対応できるようになるわい。
コスト管理の効率化
工事業は銅やアルミニウムなど、価格変動の多い材料を使用します。
これらの材料の価格動向は、市場の価格を適時確認し、市場の動向に基づいて資材調達を行う必要があります。
材料費の削減は利益に直結します。材料費を分けて記載することで予算が判断しやすくなり、効率的な予算管理に繋がります。
だんだん分かってきました!
ただ仙人、やっぱり一朝一夕で出来る作業ではなさそうですね…。
工事業の見積作成は特有の内容も多いからのう。
じゃから工事業専用のソフトを使う、という手もあるわい。
工事業の見積作成で赤字を出さないためには
材工別単価の基本は、材料費、労務費、そして直接経費を計算して直接工事費の算出を完了させます。
これらの計算は非常に細かく大変ですが、怠ってしまうと結果的に大きな赤字を生み出しかねません。
大変な作業ではありますが、一つひとつの計算を丁寧に、正確に行うように心がけましょう。
複雑な計算が多数登場していますが、焦らず確認していきたいですね。
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売り切り型で「年度使用料」などの継続利用にかかる費用がないのもポイントじゃ。
- 電気工事業向けEシリーズ
- 設備工事業向けSシリーズ
- 建築工事業向けAシリーズ
相場が高い印象の工事業専用ソフトですが、リーズナブルな価格で豊富な機能を取り揃えています。
電気工事業向けEシリーズ、設備工事業向けSシリーズは職種別の歩掛を4種類まで設定可能です。
- 歩掛や雑材料などの細かな係数は、「数量」を入力すればシステムが自動で算出
- 工事の規模にかかわらず短時間で適切な見積書を作成
- 作業効率を大幅にアップ
見積書は、発注側と請負側のどちらにとっても非常に重要なものです。
複雑な上に正確さが求められる作業だからこそ、専用ソフトを上手に活用して効率よく作成を行いたいものですね。
材料を選んで数量を入力するだけなら、今の方法より時短になりますね!
早速社長に教えないと!
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