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工事業において見積書作成は欠かせない業務の一つです。
同じような内容の作業を行う場合でも、工事業では見積価格が変動する要素が多々あります。
- 施工方法や施工場所の違い
- 銅などの変動しやすい原材料費が多い など
そういった不安定な要素があるにも関わらず、膨大な計算量や高頻度の再提出等、ミスのしやすい要因がある工事業の見積書。
少しの計算ミスでも赤字工事の発生要因になってしまいますし、長年課題感を抱えていらっしゃる企業様も多いことではないでしょうか。
そんな時、役立つのが「見積チェックリスト」です。
チェックリスト…?
うむ。
日常でもリストを作っていることがあるかもしれんな。
例えば…買い物リストややることリストなどでしょうか。
素晴らしい。
同じように細かな内容の多い見積書作成においても、確認事項をまとめたリストがあれば効率化できるわい。
なるほど、少しだけイメージが分かってきました!早速教えてください。
見積書作成をもっと簡単に、もっと効率的に作成するためにも是非おすすめしたい見積チェックリスト。
今回はそんな「見積チェックリスト」について、作り方からテンプレートのご紹介まで一歩ずつ丁寧に解説していきます。
見積チェックリストが必要な理由
見積書作成の基本と構成要素
工事業において見積書作成は欠かせない業務の一つ。
見積書にどういった項目が必要であるかは、以前ご紹介しました。
【工事業】基本的な見積書の書き方・書くべき項目【保存版】
同じ工事内容を行う場合でも、工事一件一件ごとに条件や見積価格は大きく変動してしまいます。
その要因の一つが、工事価格が非常に複雑な構成で成り立っているから。
【工事業の見積作成】工事価格とは?工事価格の構成と積算【赤字工事をなくす積算】
そうなんです。なので見積作成は社内の限られた人しかできなくて…。
属人化が課題になっています。
工事業ではよくある悩みの一つじゃの。
ただ、本当は工事名や工事場所のような基本的な項目なら、間違いがないか確認のお手伝いくらいはできるんじゃないかなと思っているんです。
うむ、正にチェックリストが役立つ場面じゃの。
他にも工事業でチェックリストを作成するべき理由がいくつかあるわい。
チェックリストが必要な理由
チェックリストは見積の過程で発生しやすいミスを防ぐことができます。
作成者以外も確認できる環境を整えることで、ヒューマンエラーの発見にも繋がります。
また、チェックリストを活用し決まった手順をもとに作業ができれば、誰がその仕事をしても同じ結果が出せるようになり、一人の従業員に負担が集中するのを防げます。
仙人、実は今までAさんとBさんで見積価格の基準が違っていたり、書き方が違いお客様にも迷惑が掛かっていることがあったんです。
ふむ。
標準化ができれば、そういったばらつきも解決できそうですね。
その通り!
工事業の場合、同じお取引先とやり取りする機会も多いことかと思います。
その中で案件毎に作成している見積書の記載方法などにばらつきがあれば、不信感に繋がってしまいます。
金額が本当に正しいのか…という不信感や、施工を行っていく上でも誤解の原因になりそうですよね。
チェックリストを活用することで提出する見積に一貫性が生まれ、見積内容に対する透明性と品質への安心感が生まれます。
見積作成と確認作業は異なる担当者に分けることで、作業の並行処理が可能となります。
全体の作業時間の削減にも繋がるわい。
工事業の見積担当者は高い専門知識が求められます。
なので、見積担当のAさんは常に忙しそうです…。
例えば専門知識を持つ見積担当者が作成した見積もりを、別の担当者が丁寧に確認できれば、各従業員の能力とチームワークを生かした作業が行えます。
また、作業の要点が明確になることで、取引先や社内での連携効率が向上します。
確かにこれまでお取引先さんから「以前と書きかたが違うけど、ここの価格根拠は?」という質問があることも多かったんです。
そういった確認や質問の回数も減らすことができるわい。
また、属人化の理由のひとつに「新人教育にかける時間がない」という企業様も多いのではないでしょうか。
明確なチェックリストがあれば、新人教育や研修にかかる時間の削減にも繋がります。
- 自分が何をすべきか
- どのように進めるべきか
が新しく業務に携わる担当者も判断できるように。
無駄なく効率的に作業を進められるため、早期から実務に貢献できるようになります。
なるほど…。
では、見積作成のチェックリストにはどんな項目が必要でしょうか?
見積チェックリストに必要な項目
見積チェックリストを作成する際は自社の業務に応じた内容で作成を行う必要があります。
「書類不備がないか」等の基本的な項目から、業務によっては使用する材料が自社規格に応じているか等、多岐に渡ります。
ここでは、主要な項目を中心に解説を行うわい。
必要書類
図面や仕様書等、見積書を作成するにあたり必要な書類がいくつかあります。
それらの情報が揃っているか、揃っていない場合の作業フローをチェックリストに明記しておくことで、作成時の齟齬解消に役立ちます。
表紙
案件名や顧客の名称等、都度入力が必要な項目は項目毎にチェックリストを設けます。
見積有効期限や取引条件等、同じような入力内容でも分岐が発生する項目については分岐の基準についても備考を記載しておくと、作成時間の短縮に繋がります。
明細
使用する資材に細かなルールがある場合、資材毎にそれらの条件をリスト化します。
仕入先による懸念事項だったり、資材そのものの特性による事項だったり…。
色んなチェックポイントが考えられますね。
他にも、積算する上での事項や使用する箇所による事項など…。
明細の算出に関するチェックリストは、膨大な量になるじゃろう。
分類を分けた上で項目別に記載する等、チェックリストの書きかたにも工夫が必要そうですね。
そうじゃのう。チェックリストは最初から完璧である必要はないぞよ。
実際に使いながら、必要な項目を追加し、不要なものを削除して、最適な形に磨き上げていくが良い。
始めからすべてを詰め込もうと思っても、中々上手くいきません。
例え完璧なものが作成できたとしても、例えば業務フローの変更や法定福利費のように時代変遷に伴い変更が余儀なくされる場面も多々出てきます。
まずは実践ですね。
素晴らしい!
見積作成チェックリストのテンプレート
工事業の見積作成におけるチェックリストの重要性については、これまでの記事の中で理解していただけたかと思います。
チェックリストは最初から完璧なものを目指す必要はなく、常に柔軟な変化が必要です。
始めは基本的な枠組みからスタートし、実際の業務を通じて必要な調整や改善を加えていくことが、より良い結果に繋がります。
だけど仙人、どこから手掛けて良いか…。
最初の一歩が中々ハードルが高いです。
国土交通省のホームページで、チェックリストが公開されているのじゃよ。
わぁ、業種ごとのテンプレートまで用意されているんですね。
- 建築工事編
- 電気設備工事編
- 機械設備工事編
チェックリストのマニュアルや、そのマニュアルの使い方も紹介されておるわい。
早速読み進めてみます!
工事業の見積作成は、ハウロードシリーズにお任せ
多くの注意点がある工事業の見積書作成。
一つの項目を見てみても、工事名や請負代金、工期等…細かな情報を決められたルール通りに書く必要があったりと、情報収集段階から苦労する部分もあります。
チェックリストの整備がゴールではないのですね…。
うむ。チェックリストは「適切な価格の見積書」を作る上での通過点の一つなのじゃ。
じゃから、出来るだけ効率化を図りたいところじゃの。
工事業向けに特化したハウロードシリーズなら、工事業に即した豊富な機能で見積書作成の作業時間を短縮。
手作業では膨大な手間や時間がかかっていた業務を、誰にでも簡単にスムーズに行えるようにいたします。
見積書作成は材料を選択し、数量を入力すれば基本1行完成。見積標準化にも役立つわい。
ハウロードシリーズは、工事業に特化した、見積・積算・受注・原価・販売管理システム。
見積作成から原価管理はもちろん、工事業特有の見積作成から施工後までの管理を一貫してひとつのシステムで管理が行えます。
一件一件の工事はもちろん、これまで行ってきた全ての工事から隠れた無駄を徹底的に解析し、正確な原価管理により利益を各段に向上します。
- 工事1件ごとの材料費・労務費・経費・外注費を細かく解析
- 長期・短期・1件に絞った観点・これまでの工事すべてから…など様々な目線でデータを分析
- 一元管理で、必要な情報を即座に把握
見積作成は複雑な上に正確さが求められる作業。
見積チェックリストの作成は見積作成に多いに役立つものですが、専門性の高い業務だからこそ、見積作成においても専用ソフトを上手に活用して効率よく作成を行いたいものですね。