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令和7年12月10日に国土交通省のホームページにて、鉄筋及び型枠の公共建築工事積算基準類の改定情報が公表されました。
今回の改定内容は、令和8年1月以降に入札手続きを開始する官庁営繕工事に適用されます。

詳細を解説していくわい。

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改定の概要
令和7年12月、国土交通省が公共建築工事の積算基準類の改定を発表しました。
今回の改定の核となるのは、“労務費を正しく見えるようにすること”。

詳細を解説していくわい。
これまで建設業では、「一式」や「まとめた単価」で積算されるケースも多く、その中にどれだけ人件費が含まれているか、詳細が見えにくいという課題がありました。

特に鉄筋工事や型枠工事は、技能者の働きが工程の品質や安全性に直結するにもかかわらず、その労務費がどれくらい計上されているのかがブラックボックス化しがちでした。
今回の改定では、その不透明さを解消し、「労務費・材料費などを明確に分けて積算する」仕組みが本格的に導入されます。
これは単に書式が変わるだけではなく、建設業界全体の“適正な価格形成”や“技能者の待遇改善”にも関わる、大きな流れを示すものです。
公共工事に携わる企業様はもちろん、設計者、現場管理者、見積担当者、経営者…建設業界の幅広い立場の方に影響を及ぼす改定となるため、今後の業務を見据えるうえで必ず押さえておきたい内容になっています。
新しい方式の積算単価「単位施工単価」の導入
今回の積算基準の改定の背景には、「第三次・担い手3法」に基づく国の大きな方針があります。
建設業の担い手不足が深刻化する中で、技能者が適正な賃金を確保できるようにすることが極めて重要視されるようになりました。
その流れを受け、令和7年12月には中央建設業審議会から「適正な労務費(賃金の原資)を確保するための新しい基準」 が正式に勧告されました。
これが今回の改定の根幹にある考え方です。
現在、公共工事の建築分野では、民間工事の実勢価格を反映した「市場単価」がよく使われています。
・労務費
・材料費
・機械器具費
・下請経費
などが一式で含まれています。
しかし、その反面、「その中にどれくらい人件費が含まれているのか?」が発注者にも受注者にも分かりにくいという大きな問題がありました。

特に労務費は
・賃上げ
・技能者確保
・働き方改革
に直結する重要な項目にもかかわらず、明確に把握できない状態が続いていたのじゃ。
市場単価が「中身が見えにくい」という課題を抱えていたのに対し、もう一つの積算方法である 「複合単価」 は、構造がまったく異なっています。
複合単価は、作業に必要な要素を一つひとつ積み上げて単価を作る方式。
具体的には、次のようなデータが使われます。
・作業に必要な人員(歩掛り)
・使用する材料の数量
・必要となる機械器具
・それぞれの単価

「どの作業にどれだけの人と材料が必要なのか」 が明確に見える方式じゃ。
市場単価よりも中身の透明性が高いという大きな利点があるわい。

中身が全部わかるなんて合理的ですね!
理想の積算って感じがします。

気持ちは分かるがのう……。
実際には“できない理由”がちゃんとあるのじゃ。
- 現場の作業実態を細かく調査する必要がある
- 歩掛のデータ収集に多くの時間と労力がかかる
- 分析や検証に専門的な知識が必要
- 全ての工種についてデータを集めるのは現実的に難しい
そのため、複合単価は “代表的な規格や仕様に限って” 作成されてきたのが実情です。
建築工事のように工種が多様で現場条件もさまざまな分野では、複合単価を広範囲に適用することは非常に困難な状況でした。

なるほど、一長一短があったんですね……。
| 市場単価 | 便利だが、内訳が見えない |
| 複合単価 | 内訳は見えるが、作成に負担が大きい |

うむ。決め手に欠けておったのう。
「適正な労務費を反映する積算」が難しい状態が続いていたのじゃ。

担い手3法の改正では、「技能者が適正な賃金を受け取れる環境を整えること」が明確に位置づけられました。
そのためには、まず“労務費がどれだけ計上されているのか”を見えるようにすることが不可欠です。
この考え方が、今回の積算基準の改定の全体を動かす原動力になっています。
単位施工単価の特徴
改定では複合単価の手法と市場取引の調査結果を組み合わせた「単位施工単価」が導入されました。
今回導入された 「単位施工単価」 は、従来の「市場単価」や「複合単価」で見えなかった労務費の中身を明確にするための新しい積算方式です。
この単価は複合単価の精度と、市場単価の実勢反映を掛け合わせた新しい仕組みで、目的の違う2種類が設定されています。
- ベース単価
- シフト単価
ベース単価
ベース単価は、「実際の作業に必要な人・材料・機械をひとつずつ積み上げて作る単価」 です。
地域ごとに決まっている労務単価や材料単価、必要な機械の費用などを、歩掛に合わせて計算していきます。


ベース単価って“代表的な仕様”に使うんですよね?
しかも労務費の割合まで分かるって、けっこうすごくないですか?

その通りじゃ。
どの部分にどれだけ人件費がかかっておるかが分かるからのう。
技能者の賃金が適正かどうか判断しやすくなるのじゃ。

まさに賃上げとか働き方改革にも関わる大事な部分ですね!
ところで、ベース単価が“代表仕様だけ”だったら、実際の工事って困りませんか…?

そこで、その他の仕様にも対応できるシフト単価じゃ!
シフト単価

“その他の仕様にも対応できる”って聞いたんですけど…どういう意味なんですか?

うむ、良い質問じゃ。
ベース単価には“労務費が全体の何%か”という比率が決まっておるじゃろう?

はい、労務費の割合が分かるやつですね!

その比率を使えば、代表的な仕様じゃなくても、必要な労務費の金額を算出できるのじゃ。
つまり、どんな仕様でも“人件費がいくらか”が見えるようになるのがシフト単価の強みじゃ。
シフト単価は、元請業者と下請業者の実際の取引価格(市場での値動き)を反映して、ベース単価を“今の実勢に合わせて調整した単価” です。
調査で得られた「実際の価格の比率」をベース単価に掛け合わせて算出します。
ただし、「物価資料」の掲載価格に基づくことが基本です。

単位施工単価の適用範囲
現在(令和7年12月時点)、「単位施工単価」が適用される工種は鉄筋工事(ガス圧接を含む)と型枠工事のみです。
これらは労務比率が高く、技能者の働きがコストに大きく影響する工種であるため、最初の対象として選ばれています。
国交省は今後、鉄筋・型枠以外の工種へも適用を広げる方針を示しており、すでに調査・分析が進められています。
将来的には、より多くの工種で「労務費の見える化」が進み、建設現場全体で適正賃金の確保がしやすくなることが期待されます。

うちは関係ないから…とは言わず、今から気にしておきたいですね。
仙人、単位施工単価って、発注者にもメリットがあるんですか?

もちろんじゃ。
見積の中に“労務費はいくら、材料費はいくら”といった内訳がきちんと示されるようになるんじゃ。
発注者はこれまで分かりにくかった“労務費の中身”を見積書でちゃんと確認できるようになる。
公共建築工事内訳書標準書式と公共建築工事見積標準書式にも労務費等の記載欄が追加され、発注者・元請・下請の取引において労務費が適正に支払われる環境が整えられました。

技能者さんがちゃんと設計労務単価どおりの賃金をもらっているかも、見える形になるんですね!

うむ。
その結果、公共工事で必要な労務単価が確保されているかどうかも明確に分かるようになるのじゃ。
“内訳の見える化”は、業務の「見える化」に繋がる
単位施工単価の導入は、“技能者が正当に評価される見積をつくる時代” の始まりでもあります。
今回の改定で求められる“内訳の見える化”は、これからの建設業に欠かせない考え方です。
適正な労務費を守りながら、発注者にも納得してもらえる見積づくり——
それを日々の実務で支える仕組みがあるかどうかで、業務負担は大きく変わります。

今回の改定って、業界にとってはすごく良いことですよね。
労務費の見える化も進むし……ただ、現場の企業からすると……やることが増えるなぁって不安があります。
- 労務費と材料費を分けた見積書
- 説明できる積算根拠
- 適正賃金を反映した価格設定
こうした対応を、限られた人数で行っていくには、“仕組み” の力を借りることが欠かせません。

ふぉっふぉ、そこをどう支えるかが、これからの大きな課題じゃな。
業務を支える仕組みが重要になる。
実務の負担を減らしつつ、改定への対応もしっかり行いたい——
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「改定に合わせて積算方法を見直したい」
「内訳の説明がもっとラクになってほしい」
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